「消防学校では成績ってつくの?」

「運動神経が良くないと上位には入れない?」

「勉強が得意じゃなくても消防学校についていける?」

消防学校へ入る前なら、こんなことも気になると思います。

私は東京消防庁に消防官Ⅰ類で採用され、消防学校へ入校しました。

そこで最初に、この記事のタイトルについて正確に説明しておきます。

私が1位だったのは、

東京消防庁全体の同期数百人の中で1位だったわけではありません。

私が所属していた約60人のクラスで、

実技試験:1位
体力試験:2位

という成績でした。

学科試験まで含めた総合1位でもありません。

むしろ私は、勉強でも運動でも、

何でも一回で器用にこなせるタイプではありませんでした。

ではなぜ、消防学校で上位の成績を残せたのか。

今振り返ると、理由はかなりシンプルです。


結論|才能より「目標」と「練習量」が違った

私が消防学校で結果を残せた最大の理由は、

周囲より多く反復練習したこと

です。

旧記事でも「同期より多く体力トレーニングと消防技術訓練に時間を使った」と書いていました。

ただ、今ならもう少し細かく分析できます。

私がやっていたのは、

  1. 消防士になることをゴールにしなかった
  2. 苦手なことほど反復した
  3. 人と比較するより昨日の自分と比較した
  4. 体力づくりを習慣化した
  5. 「量」だけでなく正確さを意識した

この5つです。


そもそも消防学校は何を身につける場所?

東京消防庁では現在も、新規採用職員に対する1年間の初任教育のうち、消防学校で6か月間の基礎教育を行っています。

消防活動技術、防火・防災の基礎知識だけでなく、災害現場に対応する気力・体力や社会人としての人格形成も目的とされています。

つまり消防学校では、

  • 学科
  • 消防活動訓練
  • 資器材操作
  • ロープ
  • 礼式
  • 体力錬成
  • 集団生活

など、覚えることが大量にあります。

私は何でもすぐできるタイプではなかったので、

「一回教えてもらったから分かった」

では足りませんでした。

だから反復しました。

消防学校で怒られたことワースト3|元東京消防庁消防士が実体験を解説


理由① 「消防士になる」をゴールにしなかった

これが一番大きかったと思います。

東京消防庁に採用され、消防学校に入った時点で、

「消防士になる」

という目標はすでに達成しています。

もちろん、消防学校を無事卒業することも重要です。

でも当時の私には、その先の目標がありました。

私は、

救助隊員になりたい。

さらに、

ハイパーレスキューや国際消防救助隊のような、高度な救助活動に携われる消防士になりたい。

と思っていました。

旧記事でも、この目標が自分の行動量につながっていたと振り返っています。

だから、

「試験で合格点を取ればいい」

ではなく、

消防学校で身につけられることは、できるだけ身につけよう

という意識になっていました。

目標が高いと、普段の基準が変わる


例えば目標が、

「ロープ結索の試験に合格する」

なら、

合格できる程度まで練習すれば終わりです。

でも、

「現場で誰よりも確実に扱えるようになりたい」

と思えば、

一度成功しても繰り返します。

この違いは半年続けばかなり大きくなります。

だから私は、

成績を上げるために目標を高くしたのではなく、高い目標を持っていた結果として練習量が増えた

のだと思います。


理由② 不器用だったから、人より反復した

消防学校には、本当に器用な同期がいます。

一度説明を聞くだけでできる。

ロープもすぐ覚える。

体力もある。

動きも速い。

「こいつ凄いな」

と思う同期は普通にいました。

私はどちらかというと逆です。

準備して、反復して、ようやく人並みにできるタイプ。

だから、

できなければもう一回。

できてももう一回。

翌日もう一回。

と繰り返していました。


消防技術は「頭で分かる」と「身体でできる」が違う

これは消防学校で強く感じました。

例えばロープ結索。

動画や教科書を見れば、

「なるほど、こうするのか」

とは理解できます。

でも、

時間を意識する。

手袋を着ける。

緊張する。

教官に見られる。

という状況になると、突然手が動かなくなることがあります。

だから、

身体が自然に動くところまで反復する。

これは消防技術では非常に重要でした。


理由③ 他人ではなく「昨日の自分」と競争した

私は、

「あいつに絶対勝ちたい」

というタイプではありませんでした。

旧記事にも書いていますが、出世欲や同期への競争心が特別強かったわけではありません。

むしろ、

自分が昨日よりできるようになっているか

を意識していました。

昨日10回だったなら今日は11回。

昨日ロープで失敗したなら今日は成功させる。

昨日覚えられなかった手順を今日は覚える。

小さな改善を積み重ねていました。

結果として、

気づいたら成績上位にいた。

という感覚です。


消防学校では同期との比較で焦りすぎない方がいい

これは今から消防学校へ入る人に特に伝えたいです。

同期には、

高校まで運動部だった人。

大学体育会出身。

自衛隊経験者。

社会人経験者。

救急救命士。

など、いろいろな人がいます。

スタート地点が違います。

だから、

「同期ができているのに、自分はできない」

だけで落ち込まないでください。

見るべきなのは、

前回の自分より改善しているか。

です。


理由④ 体力トレーニングを「特別な努力」にしなかった

消防学校で体力2位になれた理由も、特別なトレーニング方法があったわけではありません。

基本的には、

走る。

筋トレする。

繰り返す。

です。

大切だったのは、

「今日は頑張るぞ!」と毎回気合いを入れる必要がない状態まで習慣化したこと

だと思います。

私はもともと身体を鍛えることが好きでした。

なので周囲から、

「ストイックだな」

と言われても、

自分ではあまりストイックだと思っていませんでした。


好きになれば努力量は自然に増える

これは消防だけではないと思います。

嫌なことを、

「努力しないと」

と思って毎日続けるのは大変です。

でも、

目標につながっている。

昨日より成長している。

自分自身が楽しんでいる。

となると、練習量は自然に増えます。

私の場合、

強い消防士になりたい

という目標と、

身体を鍛えることが好き

という性格がうまく噛み合いました。


理由⑤ 「とにかく量」だけではなく、正確さを意識した

旧記事では、

とにかく量をこなせばいい

というニュアンスがかなり強くなっていました。

ここは現在なら少し修正します。

確かに、

練習量は重要です。

ただし、

間違った方法を100回繰り返しても意味がありません。

消防活動では、

安全・正確さ・再現性

が重要です。

だから、

教官から指摘されたポイントを直す。

正しい動きを確認。

反復する。

という順番が重要です。


私なら今、こう練習する

消防学校へもう一度入るなら、こんな形で練習します。

STEP1

教官の説明を集中して聞く。

STEP2

分からないことをそのままにしない。

STEP3

一度ゆっくり正確に動く。

STEP4

同期に確認してもらう。

STEP5

できるようになったら速度を上げる。

STEP6

翌日もう一度やる。

これだけです。

でも半年間続けると大きな差になります。


学科試験は1位ではなかった

ここも正直に書いておきます。

私は、

消防学校のすべての成績がトップだったわけではありません。

実技1位。

体力2位。

一方、学科についてはトップクラスだった記憶はありません。

旧記事でも、座学では自分より優秀な同期がいたと書いています。

つまり、

人には得意・不得意がある

ということです。

実技が得意な人。

勉強が得意な人。

体力がある人。

コミュニケーションが上手い人。

消防士として必要になる能力は一つではありません。


消防学校で1位になる必要はある?

ありません。

これはかなり重要です。

消防学校は、

同期に勝つための場所ではありません。

消防士として必要な力を身につける場所です。

東京消防庁も、消防学校での初任教育について、消防技術や知識だけでなく、気力・体力、人格形成まで含めた教育としています。

だから、

「1位にならなきゃ」

とプレッシャーを感じる必要はありません。

私はたまたま結果が出ただけです。


成績が良ければ配属・出世で有利になる?

旧記事では、

「人事や出世に多少影響するのでは」

という推測を書いていました。

ただし、ここは2026年版では削除します。

私は、

消防学校の成績が具体的にどの程度、配属・昇任・人事へ影響するのかを示す公式な基準を確認できていません。

なので、

「1位を取れば希望部署へ行ける」

とは書けません。

成績のためだけに無理をする必要はないと思います。


むしろ注意してほしい|頑張りすぎて怪我をした

そして、この記事には大事な続きがあります。

私は消防学校を卒業する頃、

怪我をして手術することになりました。

当時の私は、

救助隊。

ハイパーレスキュー。

国際消防救助隊。

という目標への気持ちがかなり強く、

身体を追い込むことが当たり前になっていました。

その結果、

「もっとやらないと」

という気持ちが先行していた部分もあったと思います。

消防学校を辞める人の割合は?元消防士が実体験と辞める理由を解説


「努力量が多い=正義」ではない

今ならはっきり言えます。

休養も訓練の一部です。

身体を壊せば、

訓練そのものができなくなります。

消防士は身体が資本です。

特に、

痛みがある。

違和感が続く。

疲労が抜けない。

睡眠不足。

という状態で、

「同期より練習しないと!」

と追い込むのはおすすめしません。

消防士の睡眠時間は何時間?夜中の仕事内容・仮眠を元消防士が解説【2026】


消防学校で成績を上げたい人に伝えたい5つ

結局、私が伝えたいのはこの5つです。

① 最終目標を決める

「卒業」だけではなく、

どんな消防士になりたいのか考える。

② 苦手から逃げない

苦手だからこそ練習する。

③ 正しい方法で反復する

量だけではなく、正確さを重視する。

④ 同期を敵にしない

同期は競争相手ではなく仲間。

分からないことを教え合う。

⑤ 身体を壊すまでやらない

休養・睡眠・怪我の管理も消防士の能力です。


「自分は頭が良くないから無理」と思っている人へ

旧タイトルでは、

「三流大学出身」

という表現を使っていました。

当時の私は、

学歴が高くない自分でも努力すれば結果を残せる

ということを伝えたかったのだと思います。

ただ、今ならこう言います。

出身大学だけで消防学校の結果は決まりません。

消防学校に入ってから、

何を覚えるか。

どう練習するか。

できないことにどう向き合うか。

の方が大切です。

少なくとも私は、

器用なタイプではなくても、

反復することで実技1位までいけました。


消防学校の成績についてよくある質問

消防学校では試験がありますか?

あります。

学科だけでなく、実技や体力などの教育・評価があります。

具体的な内容や評価方法は、消防本部や時期によって異なるため、入校後の指示に従ってください。

運動神経が悪くても大丈夫?

最初から何でもできる必要はありません。

私は器用なタイプではありませんでしたが、反復練習で実技の成績を伸ばせました。

学科が苦手でも卒業できますか?

必要な基準を満たすための勉強は当然必要です。

分からない部分を放置せず、授業・復習・同期との確認を積み重ねることが大切です。

1位を目指した方がいい?

無理に目指す必要はありません。

重要なのは、消防士として現場で必要な知識・技術・体力を身につけることです。

自主練習はたくさんした方がいい?

量は重要ですが、正しい方法と休養も重要です。

怪我をして訓練できなくなっては本末転倒です。


まとめ|不器用でも「目的を持って正しく反復する」と結果は変わる

私が東京消防庁消防学校で、

約60人のクラス中、実技1位・体力2位

という結果を残せた理由は、

特別な才能があったからではありません。

大きかったのは、

目標設定。

そして、

反復練習。

です。

消防士になることをゴールにしなかった。

苦手なことほど繰り返した。

昨日の自分より成長することを考えた。

体力づくりを習慣にした。

正確にできるまで練習した。

これを積み重ねました。

一方、やりすぎて怪我をした経験もあります。

だから今なら、

「誰よりもやれ」ではなく、「目的を持って、正しく、継続できる量をやれ」

と伝えます。

消防学校では、

同期より上か下かより、

半年後に消防署へ配属された自分が、現場で役に立てるか。

そこを一番大切にしてほしいと思います。

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