「身長が低いと消防士になれない?」

「160cmないけど東京消防庁を受験できる?」

「女性消防士にも身長制限があるの?」

消防士を目指している人にとって、意外と気になるのが身体条件だと思います。

私自身、東京消防庁で消防士として勤務していましたが、身長は約168cm。

決して大柄な方ではありません。

この記事を最初に書いた2019年には、

男性はおおむね160cm以上
女性はおおむね155cm以上

という当時の採用基準を紹介していました。

しかし、採用制度は変わっています。

結論|2026年度の東京消防庁には「身長○cm以上」という公表基準はない

2026年度の東京消防庁消防官Ⅰ類・専門系の採用案内を確認すると、現在の身体・体力検査では、

  • 視力
  • 聴力
  • 体力
  • 健康度

について基準・検査内容が記載されています。

一方で、

身長・体重・胸囲について「○cm以上」「○kg以上」といった数値条件は記載されていません。

つまり、少なくとも2026年度の東京消防庁の公表された採用基準では、身長だけを理由に受験できないという数値制限はありません。


旧記事の「男性160cm・女性155cm」は現在の基準ではない

ここは明確に訂正しておきます。

この記事を2019年に公開した当時は、東京消防庁の採用案内に、

男性:おおむね160cm以上
女性:おおむね155cm以上

などの身体条件がありました。旧記事でもその基準を掲載しています。

しかし2026年度の採用案内を見ると、その記載はありません。

したがって、

「東京消防庁は男性160cm以上じゃないと受験できない」

という古い情報を現在もそのまま信じる必要はありません。

採用基準は変わるため、消防士を目指す人は必ず受験年度の最新採用案内を確認してください。


2026年度の東京消防庁で確認される身体条件

現在の東京消防庁消防官Ⅰ類では、第2次試験で身体・体力検査が行われます。

主な内容は次のとおりです。

項目2026年度の主な内容
身長数値基準の記載なし
体重数値基準の記載なし
胸囲数値基準の記載なし
視力矯正視力を含み両眼0.7以上、かつ各眼0.3以上
聴力オージオメータによる純音聴力検査
体力1km走、反復横とび、上体起こしなど
健康度胸部X線、心電図、血圧、問診等

東京消防庁では「消防官として職務遂行に必要な身体・体力・健康度を有しているか」という考え方で検査しています。


じゃあ身長150cm台でも東京消防庁を受けられる?

2026年度の公表された受験資格・身体基準を見る限り、

「身長150cm台だから受験資格がない」という規定はありません。

東京消防庁消防官Ⅰ類の受験資格として主に示されているのは、年齢・国籍等です。

ですから、

「背が低いから消防士を諦めよう」

と最初から考える必要はありません。

ただし、

身長制限がないことと、消防活動に身体能力が不要であることは全く別です。

ここは重要です。


身長より重要なのは「消防活動をできる身体か」

消防士は現場で、

防火衣を着る。

空気呼吸器を背負う。

ホースを扱う。

資器材を運ぶ。

傷病者を搬送する。

階段を上る。

長時間活動する。

といった仕事をします。

そのため東京消防庁では、身長そのものより、

四肢関節の機能・体力・健康状態

などを確認しています。

つまり、

「何cmあるか」より「消防士として必要な活動ができるか」

を見る方向へ変わっていると考えると分かりやすいでしょう。


東京消防庁の体力検査は7種目

2026年度の消防官採用試験では、体力検査として、

  1. 1km走
  2. 反復横とび
  3. 上体起こし
  4. 立ち幅とび
  5. 長座体前屈
  6. 握力
  7. 腕立て伏せ

が実施されています。

身長について心配するより、

この体力検査に向けて身体を作る方が実際の試験対策としては重要です。

体力試験についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

消防士の体力試験|種目・目安・対策を元消防士が解説


私は168cmだったが、消防活動で大きく困った経験はない

私自身は身長約168cmです。

旧記事でも、

「自分自身も身長はそんなに大きい方ではありません」

と書いていました。

それでも東京消防庁の採用試験に合格し、消防学校を卒業して消防署で勤務しました。

消防車。

ホース。

資器材。

救急活動。

火災現場。

さまざまな場面を経験しましたが、

「168cmだから消防士として仕事にならない」

と感じたことはありません。

むしろ消防活動では、身長だけで有利・不利を判断できないと感じました。


小柄な消防士にも動きやすい場面はある

旧記事では「低身長のメリット」として、狭い場所での活動について書いていました。

これは完全に間違いではありません。

消防・救急活動では、

狭い住宅。

階段。

家具が多い室内。

車内。

狭所。

などで活動することがあります。

体格が小さいことで、

身体を入れやすい・取り回しやすい

と感じる場面はあり得ます。

ただし、

「小柄な消防士の方が優秀」

という意味ではありません。

災害現場は毎回条件が違うため、体格によって向き不向きが変わる場面がある程度に考えてください。


逆に大柄な消防士が有利な場面もある

当然、大きな身体や長いリーチが有利になることもあります。

例えば、

重い資器材を持つ。

ホースを扱う。

傷病者を搬送する。

高い場所へ手を伸ばす。

などです。

消防隊は一人ではなくチームで活動します。

大柄な人。

小柄な人。

力が強い人。

走るのが速い人。

知識が豊富な人。

それぞれの能力を組み合わせて活動します。

消防士に求められる能力については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

消防士に必要な能力5つ|元東京消防庁消防士が実体験から解説


「低身長だとホースの水圧に負ける」は本当?

旧記事では、

「低身長だとホースの水圧に耐えるのが大変」

と書いていました。

これは少し表現を変えます。

ホースを扱う際に重要なのは、

身長そのものより姿勢・足の位置・身体の使い方・隊員同士の連携

です。

もちろん体格や体重が安定性に影響することはあります。

しかし、

「小柄だから放水できない」

という単純な話ではありません。

消防学校や消防署では、正しい筒先保持や放水姿勢を訓練します。


消防車の資器材に手が届かないことはある?

消防車は大型の車両です。

上部や収納庫など、身長によっては資器材を取りにくい場面もあるでしょう。

ただ、実際の消防活動では、

踏み台。

車両設備。

隊員同士の連携。

などを使います。

安全に資器材を取り扱うことが最優先です。

「手が届かないから無理やり飛び乗る」

ような活動をするわけではありません。


身長より気をつけたいのが視力

現在の東京消防庁では、身長の数値基準は公表されていませんが、視力については明確な目安があります。

2026年度は、

矯正視力を含む視力が0.7以上、かつ一眼それぞれ0.3以上

です。

裸眼視力そのものには制限がありません。

つまり、

眼鏡。

コンタクト。

などによる矯正も含めて判定されます。

視力についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

消防士には視力が大切?コンタクト・レーシックについて元消防士が解説


色覚についても現在の基準を確認しておこう

東京消防庁では、色覚について、

消防官として職務執行に重大な支障がないこと

を基準としています。

公式FAQでは、支障がない例として赤・青・黄の色彩を識別できることが挙げられています。

検査で異常があった場合でも、それだけで直ちに不合格という説明ではなく、必要に応じて眼科医の診断結果から判断します。


「身長制限がない=身体検査が緩い」ではない

ここは誤解しないでください。

身長の数値基準がなくなったからといって、

「誰でも身体面は問題なく合格できる」

という意味ではありません。

東京消防庁は第2次試験で、

消防官として職務を遂行できる身体・体力・健康度

を検査しています。

ですから、

身長より、

体力。

関節機能。

視力。

聴力。

健康状態。

などを総合的に整えておくことが重要です。


女性消防士にも身長制限はある?

2026年度の東京消防庁採用案内では、

女性についても「身長155cm以上」などの数値条件は記載されていません。

旧制度の情報を見て、

「女性は155cm以上ないと消防士になれない」

と思っている人は注意してください。

現在の採用情報を基準に判断しましょう。


東京消防庁以外の消防本部は?

ここはかなり重要です。

消防士採用は、全国一律で同じ条件ではありません。

各自治体・消防本部によって、

受験資格。

年齢。

試験内容。

身体検査。

体力試験。

が異なります。

過去には身長条件を設けていた自治体でも、条件を撤廃した例があります。例えば名古屋市は2017年度採用から消防職の身長条件を撤廃しています。

ですから、

「東京消防庁に身長制限がない=全国すべての消防本部にない」

とは考えないでください。

受験予定の自治体について、その年度の採用試験案内を確認することが必須です。


消防士を目指すなら身長より、この3つを準備しよう

身長は自分で変えることがほとんどできません。

だから、今から変えられる部分に集中した方がいいです。

① 体力を作る

ランニング。

腕立て伏せ。

腹筋。

柔軟性。

握力。

などを少しずつ準備します。

採用後も消防士は体力と付き合い続けます。

消防士になった後も体力テストはある?元東京消防庁消防士が解説


② 筆記・SPI・論文対策をする

消防士採用試験は体力だけではありません。

東京消防庁Ⅰ類には教養試験方式と適性検査方式があり、筆記・論文等の試験があります。

どれだけ身体能力が高くても、第1次試験を突破できなければ次へ進めません。


③ 面接対策をする

消防士として、

なぜ働きたいのか。

なぜ東京消防庁なのか。

これまで何を経験したのか。

自分の強みは何か。

を言葉にできるようにしておきましょう。

採用試験から消防学校までの全体像はこちらでまとめています。

消防士になるには?採用試験から消防学校まで元消防士が解説


身長が低いことで面接で不利になる?

少なくとも、

「身長が○cmだから面接点を下げる」

という公表された採用基準はありません。

現在の東京消防庁は身体・体力検査と個人面接をそれぞれ行い、各試験の結果を総合的に判定しています。

ですから、

身長を気にして面接で自信をなくす必要はありません。

むしろ、

姿勢。

声。

受け答え。

消防への理解。

志望動機。

の方へ意識を向けましょう。


「小さいから消防士に向いていない」と思わなくていい

私は168cmです。

日本人男性として特別大きいわけではありません。

それでも、

東京消防庁採用試験。

消防学校。

消防署勤務。

を経験できました。

消防士になって感じたのは、

消防士の能力を身長だけで判断することはできない。

ということです。

現場で必要なのは、

体力。

知識。

判断力。

精神的な粘り強さ。

チームワーク。

です。

身長はその人を構成する一要素にすぎません。


消防士の身長制限についてよくある質問

東京消防庁には身長制限がありますか?

2026年度の消防官採用案内では、身長について「男性○cm以上・女性○cm以上」といった数値基準は記載されていません。

160cm以下でも東京消防庁を受験できますか?

2026年度の公表された受験資格・身体基準には、160cm以上という身長条件はありません。年齢等の受験資格を満たしているか、最新採用案内を確認してください。

女性は155cm以上必要ですか?

2026年度の東京消防庁の公表基準には、女性155cm以上という身長条件はありません。

体重制限はありますか?

2026年度の東京消防庁の主な身体・体力検査基準には、体重について「○kg以上・以下」という数値条件は掲載されていません。

胸囲の基準はありますか?

現在公表されている東京消防庁の主な身体・体力検査基準には、胸囲の数値基準も掲載されていません。

消防士になるには何が一番重要?

身長ではありません。

消防士として必要な体力・知識・判断力・健康状態・チームワークなどを総合的に身につけることが重要です。


まとめ|身長が低いことだけで消防士を諦める必要はない

この記事を2019年に書いたとき、私は、

消防士には身長制限がある

と紹介していました。

当時は東京消防庁に、

男性おおむね160cm以上。

女性おおむね155cm以上。

などの基準がありました。

しかし2026年度現在、

東京消防庁の消防官採用試験の公表基準には、身長・体重・胸囲の数値条件は記載されていません。

現在重視されているのは、

視力。

聴力。

体力。

健康度。

そして消防官として職務を遂行できる身体機能です。

だから、

「身長が低いから消防士になれない」

と、受験前から諦める必要はありません。

私自身も168cmで東京消防庁消防士として勤務しました。

大柄な隊員には大柄な隊員の強みがある。

小柄な隊員には小柄な隊員の動きやすさがある。

そして消防活動は、一人で行うものではありません。

大切なのは、

自分の身体を理解して、消防士として必要な力を伸ばすこと。

です。

身長は変えられません。

でも、

体力。

知識。

面接。

筆記。

消防への理解。

は今から伸ばせます。

そこに時間を使ってください。