「消防士は何歳で定年になるの?」

「定年退職するときは、消防士長や消防司令補になっている人が多い?」

「消防士は全員、ある程度まで昇任できるの?」

消防士を目指している方や、実際に消防士として働いている方の中には、こうした疑問を持つ人もいると思います。

私自身、東京消防庁で消防士として勤務した経験があります。

消防署で働いていると、若手の消防士から、長年勤務しているベテラン職員まで、さまざまな階級・年代の職員と一緒に働きます。

そのため、

「自分もこのまま消防士を続けたら、最終的にはどの階級までいくのだろう?」

と考えることもあるでしょう。

結論からいうと、

消防士が定年退職するときの階級は、人によって異なります。

「消防司令補で定年する人が一番多い」

「消防士長までいけば普通」

といった単純なルールがあるわけではありません。

また、2026年現在は公務員の定年制度そのものも変わっています。

東京都では、定年を65歳まで段階的に引き上げる制度が進んでおり、2025年度・2026年度の定年年齢は62歳です。条例上は2031年度以降、原則65歳となります。(東京都・霊気情報)

この記事では、

  • 消防士の定年は何歳なのか
  • 2026年現在の定年制度
  • 消防士にはどんな階級があるのか
  • どの階級で定年する人が多いのか
  • なぜ人によって階級が違うのか
  • 60歳以降はどう働くのか
  • 定年まで消防士を続ける以外の選択肢

まで、元東京消防庁消防士の経験も交えて解説します。


結論|消防士が定年退職する階級は人によって違う

まず一番知りたいところから答えます。

消防士が定年退職するときの階級は、

全員同じではありません。

消防士として採用された後、

  • 昇任の時期
  • 昇任選考
  • 人事評価
  • 本人のキャリア
  • 所属
  • 消防本部の人事制度

などによって、その後の階級は変わっていきます。

そのため、

「消防士は最終的に消防司令補になる」

「消防士長で定年するのが普通」

というように一律には言えません。

また、最新の公式統計を確認しても、

「定年退職した職員のうち、何階級の人が最も多かったか」

という詳細な階級別退職者統計は確認できません。

東京消防庁は階級別の職員定数を公表していますが、これはあくまでその時点で各階級に何人配置されているかを示すものであり、「どの階級で定年した人が多いか」を示す統計ではありません。(東京観光情報)

そのためこの記事では、

公式に確認できる制度

と、

私自身が東京消防庁で勤務して感じた実体験

を分けて解説します。


2026年現在、消防士の定年は何歳?

以前は、

「公務員の定年は60歳」

というイメージが一般的でした。

しかし、現在は定年年齢の引き上げが進んでいます。

東京都の「職員の定年等に関する条例」では、原則として定年を65歳としつつ、2023年度から2030年度まで段階的に定年年齢を引き上げる経過措置が設けられています。(東京都・霊気情報)

東京都職員の定年年齢

期間定年年齢
2023年度~2024年度61歳
2025年度~2026年度62歳
2027年度~2028年度63歳
2029年度~2030年度64歳
2031年度以降65歳

したがって、

2026年度現在の東京都職員の一般的な定年年齢は62歳

となります。(東京都・霊気情報)

東京消防庁で働く消防職員についても、東京都の職員制度の中で定年制度が運用されます。

ただし、全国の消防士すべてが2026年に62歳定年という意味ではありません。

消防は自治体ごとに制度が異なるため、

東京消防庁以外の消防本部については、各自治体の条例や人事制度を確認してください。


将来的には消防士も65歳まで働く時代へ

現在の制度では、定年年齢は段階的に引き上げられ、

2031年度以降は原則65歳

となる予定です。(東京都・霊気情報)

つまり今後は、

消防士=60歳で退職

という働き方ではなく、

60歳を超えて消防組織で働く

ことが一般的になっていきます。

ただし、

「65歳まで若手と同じようにずっと現場活動をする」

という意味ではありません。

年齢、経験、所属、人事配置などによって担う役割は変わっていくと考える方が自然です。


60歳になったらどうなる?「定年」と「役職定年」は別

ここは非常に分かりにくい部分です。

定年年齢が65歳へ引き上げられた一方で、

管理監督職勤務上限年齢

という制度があります。

東京都では、管理監督職勤務上限年齢は原則として60歳とされています。(東京都・霊気情報)

簡単にいうと、

60歳を超えても勤務は続けるが、一定の管理監督職から外れる場合がある

という制度です。

ここで注意してほしいのは、

60歳=退職

ではないということです。

2026年度なら一般的な定年は62歳です。

さらに、

消防の「階級」と「管理監督職」は完全に同じものではありません。

そのため、

「消防司令なら60歳で必ず階級が下がる」

などと単純に考えることはできません。

人事上の職と階級は分けて考える必要があります。


消防士にはどんな階級がある?

消防組織では、災害現場で部隊を統制して活動する必要があるため、階級制度があります。

東京消防庁では現在、消防吏員に10の階級等があると案内されています。(東京観光情報)

下から順に見ると、

  1. 消防士
  2. 消防副士長
  3. 消防士長
  4. 消防司令補
  5. 消防司令
  6. 消防司令長
  7. 消防監
  8. 消防正監
  9. 消防司監
  10. 消防総監

となります。

なお、

消防総監

という階級は、東京消防庁の消防長にのみ与えられる階級です。(東京観光情報)

普段「消防士」という言葉を消防職員全体の意味で使うことがありますが、厳密には消防士も階級の一つです。


東京消防庁ではどの階級の職員が多い?

東京消防庁の2025年版白書では、2025年4月1日時点の階級別職員定数として、

  • 消防総監:1人
  • 消防司監・消防正監:28人
  • 消防監・消防司令長:408人
  • 消防司令:1,544人
  • 消防司令補:4,669人
  • 消防士長:5,797人
  • 消防士等:5,970人

などが示されています。(東京観光情報)

この数字を見ると、当然ながら上位階級ほど人数は少なくなります。

つまり、

消防士として長く勤務していれば全員が消防司令・消防司令長まで昇任するわけではありません。

組織には必要なポスト数があります。

上位の階級になるほど、職員数も限定されます。


では、どの階級で定年退職する人が多い?

ここがこの記事の中心です。

結論として、

最新の公開資料だけでは、「消防士長が最も多い」「消防司令補が最も多い」とは断定できません。

東京消防庁が公開している統計には、

現在の階級別職員数

はあります。

しかし、

その年に定年退職した職員が退職時に何階級だったのか

を10階級別に集計した最新統計とは別です。(東京観光情報)

したがって、

消防司令補で定年する人が最も多い

などと数字の根拠なく断定するのは適切ではありません。

これは旧記事から大きく修正したポイントです。


私が東京消防庁で働いて感じた階級のリアル

ここからは、公式統計ではなく私自身の経験です。

私が東京消防庁で勤務していたころも、

  • 消防士
  • 消防副士長
  • 消防士長
  • 消防司令補
  • 消防司令

など、さまざまな階級の職員と一緒に働きました。

消防署の現場では、消防士長や消防司令補など、中堅・ベテランの職員が非常に重要な役割を担っています。

若手職員を指導したり、隊をまとめたり、災害現場で経験を活かした判断をしたりする場面もあります。

一方で、当然ながら全員が同じ速度で昇任していくわけではありません。

長く消防に勤務している職員でも、

階級や役割は人によって大きく違う

というのが私の印象です。


なぜ消防士によって定年時の階級が違うの?

では、なぜ同じ時期に消防士として採用されても、最終的な階級に差が出るのでしょうか。

いくつか理由があります。


① 昇任するペースが人によって違う

消防士として採用された後、全員が自動的に同じタイミングで昇任していくわけではありません。

階級によって、

  • 必要な経験
  • 勤務実績
  • 選考
  • 評価

などが関係します。

そのため、同じ年齢でも階級が違うことは珍しくありません。


② 上位階級には昇任選考がある

上位の階級へ進むためには、昇任選考などがあります。

東京消防庁の職員任用規程にも、消防司令などへの昇任選考に関する基準が定められています。(東京都・霊気情報)

したがって、

勤続年数だけで自動的に上位階級へ上がるわけではありません。

一定の能力や勤務実績などが評価されます。


③ 組織上、上位階級の人数は限られている

先ほどの東京消防庁の階級別職員数を見ても、

  • 消防士長
  • 消防司令補

と比較して、

  • 消防司令
  • 消防司令長
  • 消防監以上

になるほど人数は少なくなります。(東京観光情報)

当然ながら、

全員が管理職級まで昇任できる組織構造ではありません。


④ 本人がどのようなキャリアを歩むかでも変わる

消防士の中にも、さまざまなタイプがいます。

例えば、

  • 現場活動を極めたい
  • 救助隊を目指したい
  • 救急分野を深めたい
  • 予防業務へ進みたい
  • 指揮する立場になりたい
  • 組織運営に関わりたい

などです。

もちろん、

自分が好きな階級を自由に選べる

わけではありません。

しかし、どのような仕事や役割を目指すのかによって、日々の働き方や昇任への向き合い方も変わってくるでしょう。


消防士長はどんな立場?

消防士長は、現場において若手職員よりも経験を積んだ立場として活動することが多い階級です。

消防本部や所属によって具体的な配置は異なりますが、

  • 若手への指導
  • 隊活動
  • 訓練
  • 災害対応

などで重要な役割を担います。

東京消防庁の現在の職員定数を見ても、消防士長は5,000人を超える大きな層になっています。(東京観光情報)

そのため、消防署で勤務していると非常によく接する階級の一つです。


消防司令補はどんな立場?

消防司令補になると、より大きな責任を持つ立場になることがあります。

所属や職によって役割は異なりますが、

  • 隊の指揮
  • 部下の指導
  • 訓練管理
  • 災害活動
  • 組織内の調整

などに関わる機会も増えます。

東京消防庁では2025年4月1日時点で、消防司令補の職員定数は4,669人とされています。(東京観光情報)

現場を支える中核層の一つと考えると分かりやすいでしょう。


階級が上がるほど「偉い」というだけではない

階級制度を見ると、

「上の階級=偉い人」

と考えてしまいがちです。

確かに、階級が上がれば責任や権限も大きくなります。

しかし消防の現場では、

階級が違えば求められる役割も違う

と考える方がいいと思います。

災害現場では、

  • 隊員として活動する人
  • 隊を指揮する人
  • 複数隊を統制する人
  • 組織全体を管理する人

が必要です。

誰か一人だけでは消防活動は成立しません。

私は実際に消防組織で働いて、

それぞれの階級に、それぞれの責任がある

と感じました。


60歳以降も消防士として働く人が増える

定年が65歳まで段階的に引き上げられているため、今後の消防組織では、

60歳を超えて働く職員

がより一般的になります。

東京都の条例では、年齢60歳に達する前に、60歳以降の任用や給与などに関する情報を提供し、本人の勤務意思を確認する仕組みも定められています。(東京都・霊気情報)

つまり今後は、

「60歳で一斉に退職する組織」

から、

「60歳以降も経験を活かして働く組織」

へ変わっていくことになります。


65歳までずっと現場で消火活動をするの?

「定年が65歳になるなら、65歳まで若手と一緒に火災現場へ入るの?」

と疑問に思うかもしれません。

これは、

全員が同じ働き方をするわけではありません。

消防には、

  • 消防隊
  • 救急
  • 救助
  • 指令
  • 予防
  • 査察
  • 総務
  • 警防
  • 教育

などさまざまな仕事があります。

年齢、経験、適性、所属、人事配置などによって仕事内容は異なります。

したがって、

定年65歳=65歳まで全員が第一線の消防隊員

と考えるのは正確ではありません。


これからの消防士は「定年までのキャリア」を考える必要がある

定年が65歳へ近づけば、消防士として働く期間も長くなります。

20歳前後で消防士になった場合、

40年以上消防組織で働く可能性

があります。

だからこそ、

若いうちから、

  • どの分野へ進みたいのか
  • 昇任を目指すのか
  • 専門分野を持つのか
  • 60歳以降どう働きたいのか
  • 消防以外のキャリアも考えるのか

という視点を持っておくことも重要だと思います。


消防士を定年まで続ける人生も、途中で辞める人生もある

消防士になったからといって、

必ず定年まで消防士を続けなければならない

というわけではありません。

私は東京消防庁で勤務した後、定年を迎える前に消防の世界を離れました。

現在は消防とは異なる仕事に携わっています。

消防士として定年まで働く人生には、

  • 安定した給与
  • 福利厚生
  • 公務員としての信用
  • 長年積み重ねた消防経験

など大きなメリットがあります。

一方で、

人生の途中で、

「別の仕事をしてみたい」

「新しいキャリアに挑戦したい」

と考える人もいます。

どちらが正解という話ではありません。

大切なのは、

自分がどんな人生を送りたいか

だと思います。


消防士を辞めるか迷っている人へ

もしこの記事を読んでいる方が、

「定年まで消防士を続けるべきなのか」

と悩んでいるなら、すぐに退職を決める必要はありません。

まず、

  • なぜ辞めたいのか
  • 消防のどこに不満があるのか
  • 異動で解決できないのか
  • 民間企業ではどんな仕事があるのか
  • 今の待遇を失っても後悔しないか

を整理してみてください。

そのうえで判断すればいいと思います。

関連記事
👉 消防士を辞めたい理由5選|元東京消防庁消防士が退職後のリアルを解説【2026年】


消防士の定年・階級でよくある質問

消防士の定年は60歳ではないの?

現在は違います。

東京都では定年を65歳まで段階的に引き上げており、2025年度・2026年度は62歳です。

その後、

  • 2027・2028年度:63歳
  • 2029・2030年度:64歳
  • 2031年度以降:65歳

へ引き上げられます。(東京都・霊気情報)


60歳になったら消防士を辞めるの?

必ず退職するわけではありません。

定年そのものは段階的に引き上げられています。

一方で、管理監督職については原則60歳の勤務上限年齢制度があります。(東京都・霊気情報)

「定年」と「管理監督職から外れる制度」は別物です。


消防司令補で定年する人が一番多いの?

最新の公式資料からは断定できません。

東京消防庁は階級別の職員定数を公表していますが、

定年退職者を退職時の10階級別に集計した最新データ

ではありません。(東京観光情報)

したがって、

「消防司令補が最多」

などと断定するのは避けた方が正確です。


全員が消防司令まで昇任できる?

いいえ。

上位階級には昇任選考等があり、組織上のポスト数も限られています。

現在の東京消防庁の職員数を見ても、上位階級になるほど人数が少なくなっています。(東京都・霊気情報)


階級が上がると給料も上がる?

一般的には、職務・職責が変われば給与にも関係します。

ただし、

階級だけで給与額が決まるわけではありません。

勤続年数、職務、給与表、各種手当などさまざまな要素が関係します。

給与について扱う場合は、その年度の公式給与制度を確認する必要があります。


消防士は65歳まで現場に出続けるの?

一律ではありません。

消防には現場活動以外にも、

  • 指令
  • 予防
  • 警防
  • 教育
  • 総務

などさまざまな職務があります。

年齢や経験、配置によって担当業務は変わります。


まとめ|消防士の定年時の階級は一律ではない

今回の内容をまとめます。

消防士が定年するときの階級は、

人によって異なります。

「消防士長が普通」

「消防司令補が一番多い」

と単純に決めることはできません。

東京消防庁の現在の階級制度には10の階級等があり、上位階級ほど職員数は少なくなります。(東京観光情報)

また、定年制度そのものも変わっています。

東京都では、

2026年度現在:62歳

そして段階的に引き上げられ、

2031年度以降:原則65歳

となります。(東京都・霊気情報)

一方で、管理監督職については原則60歳の勤務上限年齢があります。(東京都・霊気情報)

つまり今後は、

60歳で全員が退職する時代ではなく、60歳以降も経験を活かして消防組織で働く時代

になっていきます。

消防士として働き続ければ、

  • 現場で経験を積む
  • 上位階級を目指す
  • 専門分野を極める
  • 指揮する立場へ進む

など、さまざまなキャリアがあります。

一方で、私のように途中で消防を離れ、別の仕事へ進む道もあります。

大切なのは、

「消防士になったから定年まで働く」

と何となく考えるのではなく、

自分はどんな働き方をして、どんな人生を送りたいのか

を考えることだと思います。

消防士として定年まで働くことも立派な選択です。

別のキャリアへ進むことも選択肢の一つです。

これから消防士を目指す方も、現在消防士として働いている方も、

自分自身が納得できるキャリア

を考えてみてください。

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