「消防士って24時間消防署にいるけど、ご飯はどうしているの?」

「消防署に食堂のおばちゃんがいるの?」

「消防士って自分たちで料理を作るって本当?」

消防士を目指している人なら、意外と気になるところではないでしょうか。

結論からいうと、

東京消防庁の消防署では、消防士自身が食事を作っています。

私自身も東京消防庁で勤務していた頃、

カレー。

生姜焼き。

唐揚げ。

ハンバーグ。

うどん。

など、いろいろ作りました。

しかも家庭のように2〜3人分ではありません。

20人、30人規模の料理をまとめて作ることもあります。

現在の東京消防庁公式サイトでも、消防署で消防官が自炊していることが紹介されています。

今回は元東京消防庁消防士として、

  • 消防士はなぜ自炊するのか
  • 誰が料理を作るのか
  • 何人分作るのか
  • どんなメニューが多いのか
  • なぜ「消防うどん」が定番なのか
  • 料理中に出場指令が入ったらどうなるのか

まで、実体験を交えて紹介します。


結論|東京消防庁では今も消防士が自炊している

これは昔の消防文化ではありません。

2026年現在も、東京消防庁の採用サイトでは消防署の食堂について、

現場活動を支えるため、栄養バランスを考えた食事を自炊している

と紹介されています。

さらに、

  • 平日:2食
  • 土日祝日:3食

を調理するとされています。

また、江戸川消防署では、

食事当番2〜4人で約25人分の夕食を作る

勤務例が公開されています。

上野消防署では、

2〜4人で25〜30人分

の食事を当番制で作っています。

つまり、

消防署に調理専門スタッフがいて毎食作ってくれるわけではなく、消防士自身が担当して料理する

ということです。


なぜ消防士は消防署で自炊するの?

一番大きな理由は、消防士が24時間いつでも災害へ出場できる状態で勤務しているからです。

消防士は、

火災。

救急。

救助。

その他の災害。

にいつ呼ばれるか分かりません。

消防署の交替制勤務員は、24時間体制で災害対応に備えています。

そのため、

「お昼になったから全員で近くの定食屋へ行こう」

という働き方は基本的に難しいです。

消防車と隊員が消防署から離れてしまえば、出場に影響します。

だから消防署内で食事を作ることには、消防という仕事との相性があります。

消防士の睡眠時間は何時間?夜中の仕事内容・仮眠を元消防士が解説【2026】


食事当番はどうやって決まる?

私が勤務していた当時も、食事を担当する人がいました。

現在の東京消防庁公式ページでも、江戸川消防署では輪番制の食事当番となっています。

つまり、

毎回同じ人が料理するわけではありません。

担当になった職員が、

  • メニューを考える
  • 食材を準備する
  • 下ごしらえをする
  • 調理する
  • 片付ける

といった作業を協力して行います。

私が勤務していた頃は、

「今日は誰が食当?」

という感じでした。

料理が得意な人が当番の日は、

ちょっと期待していましたね(笑)。


約25〜30人分を2〜4人で作る

これ、改めて考えるとなかなか大変です。

東京消防庁公式の勤務例を見ると、

江戸川消防署では約25人分。

上野消防署では25〜30人分。

これを2〜4人程度で作っています。

家庭で4人分の夕食を作るのとはスケールが違います。

肉何キロ。

玉ねぎ何個。

米何合。

という世界です。

そのため消防署の食事は、

大量調理しやすいメニュー

との相性が良いです。


消防士の定番① カレー

私が東京消防庁にいた頃、

夕食でかなり多かったのが、

カレーです。

これは消防メシとして非常に合理的だと思います。

大量に作れる。

調理方法が比較的簡単。

腹持ちがいい。

そして何より、

途中で出場しても温め直しやすい。

消防士は料理をしている途中でも、出場指令が入れば災害対応が最優先です。

カレーなら戻ってきたあとに温め直して食べることができます。

逆に、

出来たてじゃないと美味しくない料理は少し扱いづらいんですよね。


私が食べていたカレーはこんな感じ

特別なスパイスを何十種類も調合して作るわけではありません。

基本的には普通の家庭用カレーです。

ただし量が多い。

巨大な鍋で、

肉。

玉ねぎ。

人参。

じゃがいも。

などを一気に調理します。

私がいた頃は、

カレー+サラダ+ヨーグルト

という組み合わせもありました。

なぜヨーグルトがセットだったのかは、今でもよく分かりません(笑)。

ただ、訓練や災害活動をした後なので、普通に全部食べられます。


消防士の定番② 生姜焼き・唐揚げ・ハンバーグ

もちろん毎回カレーではありません。

私が勤務していた頃は、

豚の生姜焼き。

唐揚げ。

ハンバーグ。

炒め物。

などもよくありました。

料理が好きな上司が食事当番になると、

やたら手の込んだ料理

になることもありました。

私はどちらかというと、

「早く作って、たくさん食べられたらいい」

タイプだったのですが(笑)、

料理好きの人はかなり本格的でした。


消防署で「米の研ぎ方」を指導された話

ある日、上司の料理を手伝っていて、私が米を洗っていました。

すると、

「米は洗うんじゃなくて研ぐんだ。もっとこうやって力を入れて!」

と指導されました。

心の中では、

「どっちでもええわ!」

と思いました(笑)。

ところが、その上司によると、

以前若手職員へ、

「米を洗っといて」

と頼んだところ、

洗剤を入れて米を洗い始めた

ことがあったそうです。

それ以来、

「最近の若いやつには米の研ぎ方から教えないといけない」

と思ったらしいです。

本当かどうかは分かりませんが(笑)。

こういう生活スキルまで身につくのが、消防署生活の面白いところです。

東京消防庁Ⅰ類の給料・ボーナス・手取り|元消防士が実額公開【2026年】


消防士の朝食といえば「消防うどん」

そして旧記事では、

「朝はほぼ100%うどん」

と書いていました。

これはあくまで、私が勤務していた当時の所属での感覚です。

東京消防庁全体で「朝食は必ずうどん」というルールがあるわけではありません。

ただし――。

うどんが消防署の定番メニューなのは本当です。

東京消防庁三鷹消防署は現在、公式サイトで、

「消防うどん」

を紹介しています。

三鷹消防署によると、夜に汁を仕込み、翌朝に食べる定番メニュー。

しかも普通のかけうどんではなく、つけ麺スタイルです。


なぜ「消防うどん」はつけ麺なの?

理由が消防らしいです。

食事中に出場指令が入る可能性があるからです。

通常のかけうどんだと、

麺を汁に入れたまま出場。

1時間後に帰署。

うどんが伸びている。

となります。

一方、麺とつけ汁を分けておけば、

出場から戻ったあとでも麺が伸びにくく、汁を温め直して食べられます。

東京消防庁三鷹消防署も、

出場後でも麺が伸びず、再び温かい食事を取れる工夫

として紹介しています。

消防署の食文化は、ちゃんと災害対応を考えて作られているわけです。


私も前日の夜からうどんの準備をしていた

私が勤務していた頃も、

翌朝用のうどん汁を夜に仕込んでいました。

朝は、

清掃。

車両の確認。

次の当番部への申し送り準備。

などがあります。

現在の江戸川消防署の勤務例でも、朝6時に起床し、車両清掃、庁舎清掃、朝食準備、引継ぎ準備という流れになっています。

ですから、

朝から一から凝った料理を作るより、

夜に仕込んで朝すぐ食べられる料理

が合理的なんです。

私は夜に卵を出汁へ漬けて、

味付け卵

まで作っていました。

うどんには結構こだわっていました(笑)。


料理中でも出場指令が入る

消防署の料理で一番特殊なのがこれです。

料理より災害出場が優先。

これは当然です。

包丁を持っていても。

肉を焼いていても。

カレーを煮込んでいても。

出場指令が入れば消防士へ戻ります。

消防車へ乗って出場します。

私自身、

料理途中で出場

という経験は何度もあります。

消防士はモテる?元東京消防庁消防士が恋愛事情をぶっちゃけ【2026】


出場するときは火の元確認が重要

旧記事で紹介していた話ですが、ここは今でも重要です。

消防署から出場するのに、

消防署の厨房から火災を起こした

なんてことになったら笑えません。

私が残留勤務をしていたとき、

ほかの隊員が出場し、自分だけ署に残った際に厨房を確認すると、

コンロが点いたままになっていたこともありました。

災害出場時には、一瞬で頭が「現場モード」へ切り替わります。

だからこそ、

料理中であれば火の元。

刃物。

調理器具。

なども含め、出場時の安全管理が必要になります。

消防署の自炊は、

料理だけではなく「いつでも出場する」という前提で行う料理

です。


消防士は夕食を早めに食べる

一般家庭より夕食時間が早いケースがあります。

江戸川消防署の公式勤務例では、

17時15分に夕食。

上野消防署でも、災害に備えて通常の家庭より早めに夕食を取ると説明されています。

なぜ早いのか。

夜も、

点検。

ミーティング。

事務仕事。

体力錬成。

訓練。

そして災害出場。

があります。

「19時になったからゆっくり晩ご飯」

という仕事ではないんですね。


食事を食べ始めた瞬間に出場することもある

これは消防士あるあるです。

「いただきます!」

出場指令。

普通にあります。

せっかく出来たての料理でも置いていきます。

そして火災や救急活動が長引けば、

帰ってくるのは1時間後。

2時間後。

ということもあります。

温め直して食べられる料理が多いのは、こうした消防特有の事情とも相性がいいです。


消防署によって食事事情は違う

ここは2026年版では明確にしておきます。

この記事で紹介しているメニューは、

私が東京消防庁で勤務していた当時の経験

が中心です。

東京消防庁内でも消防署によって違います。

また全国の消防本部でも、

  • 自炊する
  • 夕食だけ作る
  • 朝夕作る
  • 弁当を利用する

など運用はさまざまです。

実際、大阪市消防局も2025年の公式回答で、消防署によって異なるものの、夕食や朝食を自炊する署があると説明しています。

ですから、

「全国の消防士は必ずこのメニュー」

ではありません。


消防署で料理をすると家事力が上がる?

これはかなり上がると思います。

少なくとも私は、

東京消防庁へ入る前より、

料理。

洗い物。

掃除。

洗濯。

整理整頓。

などをする機会が圧倒的に増えました。

しかも、

数十人分の料理を作る

ので、

家庭の4人分くらいなら、

「量少ないな」

と感じるようになります(笑)。

以前リライトした「消防士は本当にモテる?」の記事でも触れましたが、

消防士が意外と家事ができる理由の一つが、

消防署での共同生活

です。


消防士を目指すなら料理できないとダメ?

全然そんなことはありません。

採用試験で、

「カレー作れますか?」

とは聞かれません(笑)。

料理経験がない人でも、

消防署へ配属されて先輩や同期と一緒に作っていれば徐々に覚えます。

最初は、

野菜を切る。

米を研ぐ。

皿を並べる。

洗い物をする。

などから始めれば十分です。

ただ、

包丁すら持ったことがない

という人なら、消防学校卒業前に簡単な料理くらい練習しておくと、消防署生活では少し楽かもしれません。


消防署の食事についてよくある質問

消防士は本当に自炊していますか?

はい。

東京消防庁の公式採用サイトでも、消防署で自炊していることが紹介されています。平日は2食、土日祝日は3食を調理するとされています。

誰が料理を作るの?

食事当番です。

江戸川消防署では輪番制で、2〜4人が約25人分の夕食を作る勤務例が公開されています。

消防署の定番料理は?

所属によって違います。

私が勤務していた頃は、カレー、生姜焼き、唐揚げ、ハンバーグ、うどんなどが多かったです。

東京消防庁三鷹消防署は公式サイトで「消防うどん」を紹介しています。

食事中に出場することはありますか?

もちろんあります。

災害対応が最優先なので、食事中や調理中でも出場します。

朝食もうどんですか?

必ずではありません。

私が勤務していた所属ではうどんが非常に多かったですが、東京消防庁全体の統一メニューではありません。

ただし「消防うどん」が東京消防庁公式でも紹介されるほど、うどんは消防署で定番の食事の一つです。

消防士になる前に料理を覚えておいた方がいい?

必須ではありません。

ただ、包丁や炊飯などの基本的な家事ができると、消防署へ配属されたときにかなり役立つと思います。


まとめ|消防署のご飯は「いつでも出場できる料理」

消防士の食事事情をまとめると、

  • 東京消防庁では現在も消防署で自炊している
  • 平日は2食、土日祝日は3食を調理する例がある
  • 食事当番は輪番制
  • 2〜4人で25〜30人分作ることもある
  • カレーなど大量調理しやすい料理が便利
  • 「消防うどん」という消防署らしいメニューもある
  • 調理中・食事中でも出場指令が入れば災害対応最優先
  • 所属によってメニューや運用は違う

ということです。

消防士というと、

火を消す。

救急車へ乗る。

救助訓練をする。

という姿を思い浮かべると思います。

でも実際の消防署では、

料理して、食べて、皿を洗って、掃除して、仮眠して、そして指令が入れば災害現場へ向かう。

そんな日常があります。

私は東京消防庁時代、

消防署のカレーとうどんが本当に好きでした。

正直、

消防士を辞めてからも、

たまに消防署のうどんが食べたくなります(笑)。

消防士という仕事を知るなら、こういった日常生活も含めて見ると、よりリアルな姿が分かると思います。

消防士になるには?採用試験から消防学校まで元消防士が解説【2026年】