【強靭な体力】です。。。
もちろん、体力だけあれば、消防士になれるという訳ではありません。
身体的な体力も必要ですし、精神的な体力も必要です。
身体的・精神的な体力があるだけども、消防士にはなれません。
消防士は地方公務員になりますので、競争倍率の高い公務員試験を合格しなければいけません。では、ここでは、最も必要な体力についてと試験の重要性について、お話ししていきます。
◯ 試験の重要性について
消防士は、火災現場や救急現場を主として、数多くの人命救助の現場に出場します。その際に、体力を駆使するのはもちろんのことなのですが、、、体力を土台として、救助器具を使用します。そこで、筋肉ばかだと、救助器具を使えなければ、人命救助できない可能性があります。人の力のみでは、できる範囲が限られているからです。
放水の際に、放水ホースを使用します。そのホースを伸ばして行く際に、早さや正確さが伴われます。ポンプ車積載時に次の行動を考えて、準備をしなければなりません。その他にも、救助器具の取扱要綱を確認して、正しく機器を使用しなければ、大惨事を招くこともあります。
例えば、消防の特別なスキルといえば、ロープワークがあります。
ロープの荷重強度を知らなければ、人を救助する為に釣り上げる際に、ロープが切れてしまうと、人の命を落とし兼ねません。
その他にも、救助器具でエンジンカッターというのもあります。
建物内部に要救助者がおり、ドア施錠中に使用します。
その時は、いくら消防士であっても所有者確認もしくは、警察の許可を得なければ、法律上は器物破損になるのですが、、、
明らかに、火災現場で1分1秒の時間が求められている際は、破壊します。(そのケースが多いですが、原則は最悪でも警察に確認を取ります。)
といったように、勉強をして、知識を付けておかなければ、周りにいる人を傷つけてしまう可能性もあるし、自分を守ることもできません。
◯ 最も必要な一つの能力
ここからが体力の重要さです。
身体的な面と精神的な面をお話しします。
・精神的体力について
火災現場や救急現場に出場して行くことになります。
共に人が不幸を感じているところに出場して行くんです。
『消防士の現場に、笑顔になれるような現場はありません。』
☆ 人命救助の精神力
僕自身が体験したことを2つ例を挙げます。
① 首吊り自殺の現場
僕が、消防学校を卒業後、割と早い段階で出場した現場が、首吊り自殺の現場でした。。。そこで僕が何をしていたかというと、心臓マッサージです。年の功は中肉中背の50代女性でした。その心肺停止している女性に対して、AEDと心臓マッサージを実施するのですが、、、
僕が心臓マッサージをする毎に、『肋がバキバキ折れる』感覚と音が、生なましくて、吐き気に襲われたことがあります。この時に非常に衝撃を受けたことを今でも記憶しています。人命救助に緊迫感と緊張感で、1、2日ぐらいは食欲を失いました。
② 電車の心身事故現場
この現場も衝撃を受けました。
月曜日によく起こる光景です。この日も月曜日の朝です。電車に飛び込んだと119番通報が入ります。そして、現場に行くと年の功は40代ごろの女性で、電車の横に横たわっている女性がいました。。。
女性は、運よくかすり傷程度で済んでいました。。。
が、、、救助しようとしたその時
「助けないでください」
と言われました。。。僕たちは人命救助することが使命です。
この時すごく胸を締め付けられたことを記憶しています。
僕のその時の感情は、、、
僕らはあなたを助けに来ました!!
その他にも、悲惨な現場はたくさんあります。
薬を大量に服用した現場、親子喧嘩で親を刺した現場、人がまるこげの火災現場等々、毎日のように死と隣り合わせの現場を経験して来ました。
◯ 身体的体力について
ここも例に挙げた方が伝わりやすいと想いますので、例を挙げます。
真夏の炎天下の中での、火災現場です。
消防士は防火衣と空気呼吸器を着用して、約20kgを背負って火の中に飛び込んでいったり、放水して火を消していきます。
日頃の体力錬成をしていなければ、消防士自身が消化活動中に熱中症になることも多々あります。そうなると、救助者から要救助者へ成り替わります。
そして、その現場に耐えるために、日頃の体力錬成や消化活動訓練は、過酷です。現場以上に厳しいです。なので、訓練が厳しくて、根をあげている人もいます。(これ以上は想像にお任せします)
とはいっても、消防署に寄って訓練の厳しさは相違があります。。。
◯ まとめ
消防士は特に体力が重要です。
しかし、体力がないから、消防士になれないという訳ではありません。
逆に、体力があるからといって、消防士になれる訳ではありません。
消防士は公務員試験なので、ある程度の学力が必要です。
それさえ乗り越えれば、現場では体力があれば、楽しく有意義に過ごせます。
身体動かすことが大好きな人にとっては天職だと想います。
その強靭な肉体と精神で人命救助をして、人の為になれるのですから!!
これ以上の仕事はないです。