【2026年版】消防士と警察官はどっちが合格しやすい?倍率・試験の違いを元合格者が比較
「消防士と警察官なら、どっちが合格しやすい?」
「とにかく公安系の公務員になりたいなら、どちらを受けるべき?」
「消防士と警察官を両方受験してもいい?」
消防士や警察官を目指している人なら、一度は考える疑問だと思います。
私は実際に、
東京消防庁
と、
大阪府警
の採用試験を受験し、両方から合格をいただいた経験があります。
この記事を最初に書いた2020年には、
「採用人数・倍率を見ると警察官の方が圧倒的に合格しやすい」
と書いていました。
しかし、2026年現在は状況がかなり変わっています。
東京消防庁でもSPI方式が導入され、採用人数も増減しています。
警視庁も教養試験だけでなくSPI方式を選択できるようになり、採用制度そのものが変化しています。
そこで今回は、最新の公式データを使って、
消防士と警察官は本当にどちらが合格しやすいのか?
を改めて比較します。
結論|数字だけなら警察官がやや有利。ただし「警察なら簡単」は間違い
先に結論です。
東京消防庁と警視庁を比較するなら、
近年の倍率・採用人数だけを見ると、警視庁警察官の方が合格しやすい区分が多い
と言えます。
ただし、
すべての試験区分で警察官の方が簡単なわけではありません。
2025年度の実績を見ると、東京消防庁のⅠ類1回目は、
| 東京消防庁 | 倍率 |
|---|---|
| Ⅰ類1回目・教養試験方式 | 4.1倍 |
| Ⅰ類1回目・SPI方式 | 3.9倍 |
| Ⅰ類2回目 | 9.4倍 |
| Ⅲ類1回目 | 4.9倍 |
| Ⅲ類2回目 | 9.3倍 |
でした。
一方、2025年度の警視庁は、
| 警視庁 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| Ⅰ類・教養 | 3.0倍 | 2.7倍 |
| Ⅰ類・SPI | 4.0倍 | 3.5倍 |
| Ⅲ類・教養 | 3.4倍 | 3.4倍 |
| Ⅲ類・SPI | 5.6倍 | 3.3倍 |
でした。
この数字だけを見ると、警視庁の方が低倍率の区分は多いです。
しかし、
男性Ⅲ類SPIでは警視庁5.6倍
に対して、
東京消防庁Ⅲ類1回目4.9倍
のように逆転するケースもあります。
だから、
「消防=難しい、警察=簡単」と決めつけるのは間違い
です。
2026年の採用予定人数は警視庁の方が多い
採用人数も比較してみましょう。
2026年度の東京消防庁は、
Ⅰ類:合計440名
Ⅲ類:合計310名
となっています。
一方、警視庁の2026年度採用予定人数は、
Ⅰ類・Ⅲ類合計1,450名
です。
つまり採用枠だけを比較すると、
警視庁の方がかなり大きい
ことが分かります。
旧記事では、
「東京消防庁240名、警視庁1,200名で約5倍違う」
としていました。
現在はその数字をそのまま使えませんが、
現在でも警視庁の方が大量採用を行っている
という基本的な構造は残っています。
ただし、採用人数が多ければ必ず低倍率になるわけではありません。
受験者数も多いため、最終的にはその年度の倍率を見る必要があります。
2026年の東京消防庁Ⅰ類は約5倍の競争
2026年度はまだすべての試験が終了していません。
2026年9月1日時点で公式結果が出ている東京消防庁Ⅰ類1回目では、
教養試験方式:5.1倍
適性検査方式:5.5倍
となっています。
教養試験方式は、
2,380人が一次試験を受験し、
最終合格者464人。
SPIを使う適性検査方式では、
722人が受験し、
最終合格者131人でした。
つまり、
現在も東京消防庁は決して簡単な試験ではありません。
消防士と警察官は試験内容もかなり似てきた
昔は、
「消防=公務員教養試験」
「警察=警察官用試験」
というイメージを持っていた人もいるかもしれません。
現在は両方とも試験制度が変わっています。
東京消防庁
Ⅰ類では、
教養試験方式
または、
SPIを使う適性検査方式
があります。
さらに、
論文。
資格・経歴評定。
体力検査。
個人面接。
などがあります。
警視庁
警視庁でも2026年度は、
教養試験
または、
SPI3
を選択できます。
第1次試験では論作文・資格経歴等の評定・適性検査があり、第2次試験では面接、身体検査、体力検査などが行われます。
つまり現在は、
消防士と警察官で共通して使える試験対策がかなり多い
です。
だから私は、両方に興味がある人なら併願を検討する価値は十分あると思います。
消防士と警察官で共通して対策できること
特に共通しているのが、
教養・SPI。
論文・作文。
体力。
面接。
自己PR。
志望動機。
です。
例えば数的処理や判断推理を勉強した経験は、他の公務員試験にも活かせます。
SPIを選択する場合も同じです。
論作文もテーマは異なりますが、
序論 → 本論 → 結論
という基本的な文章構成は共通します。
だから、
消防一本に絞ったら、落ちた時点で終了
ではなく、
消防。
警察。
その他公安職。
を組み合わせる考え方もあります。
ただし、面接だけは別です。
併願しても「消防でも警察でもどっちでもいい」はNG
ここは非常に重要です。
私は東京消防庁と大阪府警の両方を受験しました。
しかし面接で、
「公務員なら消防でも警察でもどちらでもいいです」
という答え方はおすすめしません。
消防士と警察官は、同じ公安職でも仕事内容が全く違います。
消防士なら、
火災。
救急。
救助。
防災。
警察官なら、
犯罪捜査。
交通。
警備。
地域警察。
などが中心になります。
そのため、
消防を受けるなら、なぜ消防なのか。
警察を受けるなら、なぜ警察なのか。
それぞれ別の志望動機を作る必要があります。
私が東京消防庁と大阪府警を両方受けた理由
私は受験当時、
公安系公務員を中心に受験していました。
結果として、
東京消防庁
と、
大阪府警
の両方から合格をいただきました。
最終的に私が選んだのは東京消防庁です。
なぜなら、
私が本当にやりたかったのは、
消防・救助の仕事
だったからです。
ここは、
「どちらが受かりやすいか」
とは別に考えた方がいいと思います。
たとえ警察の倍率が低かったとしても、
犯罪捜査や地域警察の仕事に全く興味がないなら、
倍率だけを理由に警察官になる
のはおすすめしません。
逆も同じです。
「合格しやすさ」と「向いている仕事」は別
試験倍率だけなら数字で比較できます。
でも、
働き続けられるか
は別問題です。
消防士に向いている人
チームで活動するのが好き。
火災・救急・救助に興味がある。
体を動かす仕事が好き。
訓練を継続できる。
人命救助に携わりたい。
こういった人は消防士に魅力を感じやすいと思います。
警察官に向いている人
犯罪や交通事故を減らしたい。
治安維持に携わりたい。
法律や捜査に興味がある。
人と接する仕事が好き。
地域の安全を守りたい。
という人なら警察官という選択肢があります。
倍率だけではなく、
自分が30歳、40歳になっても続けたい仕事はどちらか
まで考えてください。
年齢制限は「消防30歳、警察35歳」ではなくなっている
旧記事では、
「消防士は30歳まで、警察官は35歳までだから警察の方がチャンスが多い」
と書いていました。
ここは現在ではそのまま使えません。
2026年度の警視庁Ⅰ類では、1991年4月2日以降生まれの人などが受験対象です。Ⅲ類も一定条件のもと同年代まで受験可能となっており、比較的広い年齢層に門戸があります。
一方、東京消防庁Ⅰ類も2026年度は1991年4月2日以降生まれを対象とする区分があります。したがって、
「消防は30歳まで」と一律に言うのは現在では誤りです。
ただし東京消防庁Ⅲ類は2005年4月2日~2009年4月1日生まれが対象なので、採用区分によって受験資格は大きく異なります。
必ず自分が受験する年度・自治体の最新募集要項を確認してください。
地方消防では東京消防庁より高倍率になることもある
ここも大事です。
この記事では分かりやすく、
東京消防庁と警視庁
を比較しています。
しかし全国の消防本部を見ると事情は違います。
地方消防本部では、
採用人数5名。
採用人数10名。
という自治体もあります。
そこへ数十人・数百人が受験すれば、高倍率になります。
消防士は自治体ごとに採用試験を行うため、
「消防士の倍率は○倍」
という全国共通の数字はありません。
警察官も都道府県警察ごとに採用状況が違います。
したがって、自分が受験したい自治体について個別に確認してください。
公務員になることだけが目的なら併願は合理的
「消防士になりたい」
と明確に決まっているなら、消防対策へ集中するのも一つです。
一方、
「警察にも興味がある」
「公安系公務員として働きたい」
「どちらの仕事にも魅力を感じる」
という人なら、私は併願を検討します。
理由は単純です。
受験機会を増やせるからです。
一つの試験だけなら、
不合格=その年度終了
になる可能性があります。
複数受験すれば、
消防A。
消防B。
東京消防庁。
県警。
警視庁。
など、合格のチャンスを増やせます。
ただし、
片っ端から受ければいい
という意味ではありません。
それぞれの仕事内容を理解し、
合格したら本当に働く意思がある組織を受験してください。
東京消防庁を受験するならこちらも確認
東京消防庁を第一志望にする人は、倍率を見て不安になる必要はありません。
倍率5倍なら、
5人に1人しか受からない
と考えることもできます。
でも、
「自分以外の4人に勝たないと」
と考えるより、
採用試験で求められる基準を一つずつクリアする
ことに集中した方がいいです。
短期間で東京消防庁を目指す勉強法はこちらで詳しく解説しています。
東京消防庁は2ヶ月で合格できる?短期合格の勉強法を元消防士が解説【2026年】
消防・警察を併願するなら論作文対策は早めに始める
消防と警察の両方を受験する場合、
論文・作文対策
は共通して活用できます。
2026年度の警視庁でも、第1次試験に1時間の課題式論作文があります。
東京消防庁でも論文・作文試験があります。
そのため、
「筆記が終わってから論文を考える」
ではなく、並行して進めるのがおすすめです。
消防の論文対策はこちらで基本から解説しています。
消防士の論文対策|書き方・基本構成・NG例を元東京消防庁消防士が解説
消防・警察の論文対策をまとめて準備したい方へ
消防・警察採用試験では、出題テーマは違っても、
問題提起
自分の考え
具体例
公務員としてどう行動するか
という文章の組み立て方には共通部分があります。
私が実際の受験経験をもとに、
基本構成。
テーマの考え方。
答案例。
本番での組み立て方。
までまとめています。
【完全攻略】これで論文試験は差をつけろ〜消防・警察合格への道〜
価格:1,190円
消防士と警察官についてよくある質問
消防士と警察官はどちらが合格しやすい?
東京消防庁と警視庁の近年の実績を比較すると、警視庁の方が低倍率となっている区分は多くあります。
ただし試験方式・男女・類別・年度によって倍率は変わり、一部では東京消防庁の方が低倍率です。
警察官は簡単に合格できますか?
いいえ。
警視庁でも数倍の競争倍率があり、筆記・論作文・面接・身体・体力検査などがあります。
「消防より倍率が低い=勉強しなくていい」ではありません。
消防士と警察官は併願できる?
可能です。
私自身も東京消防庁と大阪府警を受験し、両方に合格しました。
ただし日程が重ならないこと、各試験の受験資格を満たしていることを確認してください。
消防と警察はどちらもSPIで受験できる?
2026年度は東京消防庁Ⅰ類にSPIを使う適性検査方式があり、警視庁も教養試験またはSPI3を選択できる区分があります。
ただし区分・回によって異なるため、最新募集要項を確認してください。
体力に自信があれば消防士の方が受かりやすい?
体力だけでは判断できません。
消防も警察も筆記・論作文・面接等を含めて評価されます。
とにかく公務員になりたいなら両方受けるべき?
仕事内容の両方に興味があり、合格した場合に働く意思があるなら、併願によって受験機会を増やすのは合理的です。
ただし「公務員なら何でもいい」という状態のまま面接へ行くのはおすすめしません。
面接では「なぜ消防・なぜ警察」を必ず分ける
併願する人ほど、ここは準備してください。
消防面接なら、
なぜ消防士なのか。
なぜその消防本部なのか。
警察面接なら、
なぜ警察官なのか。
なぜその都道府県警なのか。
を分けます。
私が実際に東京消防庁で聞かれた質問・回答はこちらの記事で解説しています。
面接までまとめて対策したい方へ
消防・警察は倍率だけで決まりません。
最終的には、
「なぜこの仕事をしたいのか」
を面接官へ伝える必要があります。
志望動機。
自己PR。
深掘り質問。
NG回答。
などをまとめて対策したい方はこちらです。
【完全攻略】これで面接試験は差をつけろ〜消防・警察合格への道〜
価格:1,190円
まとめ|警察官の方が低倍率な傾向はある。でも最後は「なりたい方」を選ぶ
消防士と警察官のどちらが合格しやすいのか。
2026年現在の結論としては、
東京消防庁と警視庁を比較すると、近年は警視庁の方が低倍率となっている区分が多い。
これは事実です。
2026年度の採用予定人数でも、
東京消防庁はⅠ類・Ⅲ類合計750名。
警視庁はⅠ類・Ⅲ類合計1,450名と、警視庁の方が採用枠は大きくなっています。
しかし、
「だから警察官を受ければ簡単に受かる」
という話ではありません。
倍率は年度。
区分。
試験方式。
性別。
自治体。
によって変わります。
そして一番大切なのは、
合格したあと何十年もその仕事をする可能性があること
です。
私は東京消防庁と大阪府警の両方から合格をいただきました。
そのうえで東京消防庁を選びました。
理由は単純で、
自分が本当にやりたかったのが消防だったからです。
だから、
合格しやすさ。
倍率。
採用人数。
は受験戦略として使う。
でも最後に職業を選ぶときは、
「自分は消防士と警察官、どちらの仕事を本当にやりたいのか?」
で決めてほしいと思います。
両方に興味があるなら、両方受けてもいい。
そして合格してから比較する。
それも一つの方法です。
