消防学校で怒られたことワースト3|元東京消防庁消防士が失敗談と注意点を解説
「消防学校って毎日怒られるの?」
「どんなことで教官から注意される?」
「自分は要領が悪いけど、消防学校を卒業できるかな……」
消防士を目指している人なら、消防学校の厳しさが気になると思います。
私も東京消防庁に入庁し、消防学校へ入るまでは、
「毎日怒鳴られるような生活なのかな?」
と不安がありました。
実際に入校してみると、私は普通に何度も注意されました(笑)。
特に覚えているのが、
- 訓練中に同期と笑ってしまった
- 基本動作や訓練をダラダラやった
- 身だしなみが整っていなかった
この3つです。
ただし、最初に大切なことを言っておきます。
この記事は、私が東京消防庁消防学校に在籍していた当時の実体験です。
現在の教官全員が同じ指導をする、同じ場面で必ず怒られる、という意味ではありません。
消防学校の指導方法や雰囲気は、時代・教官・所属・訓練内容によって変わります。
この記事では、
「なぜその場面で注意されたのか」
まで、今振り返って解説します。
そもそも消防学校は何をする場所?
消防学校は、単に筋トレや消火訓練だけをする場所ではありません。
東京消防庁は現在、新規採用職員に対する初任教育について、全寮制で教育を行い、防火・防災の基礎知識や技術、強い気力・体力、社会人としての人格形成を身につけることを目的としていると説明しています。
また、東京消防庁の初任教育は1年間で、そのうち消防学校で6か月間の基礎教育が行われています。令和6年度には827人が消防学校での基礎教育を修了しています。
つまり消防学校は、
- 消防活動技術
- 防火・防災
- 救急
- 資器材の取扱い
- 体力
- 規律
- 集団生活
- 社会人としての基本
まで身につける場所です。
だからこそ、学生気分が抜けていなかった私には、最初は注意されることも多くありました。
ワースト3|訓練中に同期と笑ってしまった
これはかなり印象に残っています。
訓練中、同期と話をしていて、つい笑ってしまったことがありました。
すると教官から、
「何を笑っているんだ」
という趣旨で厳しく注意されました。
その後、その場では訓練に参加できなくなったことも覚えています。
当時の私は、
「ちょっと笑ったくらいで、そこまで怒られる?」
と思った部分もありました。
でも、消防士として働いたあとに考えると、教官が伝えたかったことは分かります。
なぜ訓練中のふざけた態度が厳しく見られるのか
消防活動は、
火災。
救急。
救助。
など、人命や財産に関わります。
消防学校で行う訓練も、
将来、実際の災害現場で行う活動の基礎
です。
そのため、
集中していない。
ふざけている。
説明を聞いていない。
といった態度は、安全面からも問題になります。
東京消防庁の訓練指導資料でも、訓練開始前に内容や事故防止を十分説明し、訓練中は安全を第一にすること、危険な行為は速やかに中止させることが示されています。
もちろん、
消防士は一生笑ってはいけない
という話ではありません。
消防署でも同期と笑いますし、雑談もします。
私自身、消防署では普通に先輩や同期と笑っていました。
重要なのは、
「今は集中する場面なのか」を判断すること
だと思います。
消防学校では「オンとオフ」の切り替えが重要
休憩時間なら話してもいい。
同期と笑ってもいい。
でも、
訓練開始。
教官の説明。
礼式。
資器材操作。
となったら切り替える。
消防学校では、このメリハリがかなり重要だと感じました。
入校したばかりの頃は、
「そこまで切り替えないといけないの?」
と思うかもしれません。
でも消防署へ配属されると、
さっきまで食事をして笑っていたのに、
出場指令が入った瞬間に災害モードへ切り替える
ことになります。
消防学校は、その感覚を覚える場所でもあったと思います。
ワースト2|基本動作や訓練をダラダラやった
次に注意されることが多かったのが、
基本的な行動が遅いこと。
例えば、
集合。
整列。
返事。
礼式。
資器材の準備。
ロープ結索。
はしごの取扱い。
などです。
消防学校に入りたての頃は、
一つ一つの行動に慣れていません。
そのため、
「次何するんだっけ?」
と考えている間に遅れることがあります。
そして注意されます(笑)。
なぜ消防学校では基本動作を何度も繰り返すのか?
これも消防署へ配属されてから理由が分かりました。
災害現場では、
知っているだけでは意味がありません。
必要なときに、
正確に。
素早く。
安全に。
行動できる必要があります。
例えば資器材でも、
「この道具の名前は知っています」
だけでは不十分です。
どこに積載されているか。
どうやって搬送するか。
どう操作するか。
注意点は何か。
まで身体で覚えていく必要があります。
消防では「速さ」より先に「正確さと安全」
旧記事では、
消防は1分1秒のスピード勝負
と強く書いていました。
これは災害対応という意味では間違ってはいません。
ただし、2026年版では少し補足します。
速ければ何をしてもいいわけではありません。
消防活動では、
正確に、安全に、そのうえで迅速に
が重要です。
焦って資器材を間違って操作したら、逆に危険です。
東京消防庁の訓練指導資料でも、操作人数や号令そのものにこだわるより、まず資器材を扱えるようにすることや、危険な操作はすぐ制止することが示されています。
これはすごく大事な考え方だと思います。
「基本なんだからできて当然」と思わない
消防学校に入ると、
運動神経がいい同期。
要領がいい同期。
声が大きい同期。
ロープ結索をすぐ覚える同期。
がいます。
すると、
「自分だけできない……」
と焦ることがあります。
でも最初から全部できる人ばかりではありません。
私も注意されながら覚えました。
大切なのは、
昨日できなかったことを、今日一つできるようにすること。
です。
分からなければ同期に聞く。
教官に確認する。
自主練習する。
手順を復習する。
そうやって少しずつ身につければいいと思います。
ワースト1|身だしなみ
個人的には、意外と細かく注意されたのが、
身だしなみ
です。
例えば、
制服の状態。
階級章。
ネクタイ。
靴。
髪。
ひげ。
など。
「消防活動と服装って関係ある?」
と思うかもしれません。
私も入校当初は、
「訓練ができればいいやろ」
くらいに感じていました。
でも消防士になってみると、身だしなみが重視される理由も分かってきます。
消防士は災害現場だけが仕事ではない
消防士の仕事は、
火を消す。
救急車に乗る。
救助する。
だけではありません。
建物の検査。
防火指導。
消防訓練。
地域住民への説明。
学校や幼稚園での防災指導。
など、市民と直接接する機会があります。
つまり、
消防士そのものが組織の印象になります。
だらしない制服。
乱れた服装。
不適切な態度。
で市民へ防火指導をしても、説得力がありません。
東京消防庁の消防学校紹介でも、初任教育において「社会人としての人格形成」を目的の一つとしています。
だから消防学校の段階から、
服装。
姿勢。
礼儀。
などを細かく見られるわけです。
消防学校は「怒られないように過ごす場所」ではない
消防学校にいると、
「今日は怒られませんように……」
と思う日があります(笑)。
でも、
怒られないことを目標にする必要はありません。
本来の目的は、
消防士として必要な知識・技術・体力・規律を身につけることです。
注意されたら、
「また怒られた……」
で終わるのではなく、
「次に同じ失敗をしないために何を変えるか?」
を考えた方が成長できます。
ただし「厳しい指導」とパワハラは別
ここも現在の記事には追加した方がいい部分です。
消防学校は厳しい場所です。
だからといって、
「消防学校だから何をされても我慢する」
必要はありません。
安全のための指導。
ミスに対する指摘。
礼式や生活態度への注意。
と、
人格否定。
必要性のない暴力。
継続的な嫌がらせ。
などは分けて考える必要があります。
このテーマについては別記事で詳しく整理しています。
👉 東京消防庁にパワハラ・いじめはある?元消防士の実体験と対処法【2026】
消防学校で注意されやすい人の特徴
私自身の経験から考えると、次のような状態だと注意される機会が増えやすいと思います。
① 同じことを何度も注意される
失敗自体より、
指摘されたことを直そうとしない
方が問題になりやすいです。
一度失敗したらメモする。
復習する。
同期に聞く。
それだけでもかなり違います。
② 返事や反応がない
分かったのか、分かっていないのか。
聞こえたのか、聞こえていないのか。
相手に伝わらない状態は、チーム活動では困ります。
③ 分からないのに分かったふりをする
これは危険です。
消防活動では、分からないことをそのままにする方が問題です。
「もう一度お願いします」
と言う方がいいです。
④ 時間を守らない
集合。
授業。
訓練。
点呼。
など、集団行動が多い消防学校では、一人の遅れが全体へ影響します。
⑤ 身だしなみ・整理整頓が雑
消防学校は全寮制です。
自分一人だけの生活ではありません。
東京消防庁も現在、初任教育を全寮制で行っています。
消防学校で怒られたらどうすればいい?
私なら、この3つをおすすめします。
① その場ではまず指摘内容を聞く
「でも……」
「いや……」
と反論する前に、
何が問題だったのかを確認します。
納得できない場合でも、まず内容を理解する。
② 同じ失敗を繰り返さないようにする
消防学校では覚えることが多いです。
全部頭だけで覚えようとすると忘れます。
メモ。
復習。
同期との確認。
自主練習。
を使いましょう。
③ 一人で抱え込まない
同期はかなり大きな存在です。
自分だけ注意されているように感じても、
実は同期も別のところで普通に怒られています(笑)。
困ったときは、
同期。
信頼できる教官。
先輩。
などに相談してください。
「自分だけ向いていない」と思わなくていい
消防学校で注意されると、
「自分は消防士に向いていないのかな」
と思うことがあります。
でも、
一度怒られた=消防士に向いていない
ではありません。
私自身も普通に怒られました。
それでも消防学校を卒業し、消防署へ配属されました。
重要なのは、
失敗しないことではなく、
失敗から修正できるか
だと思います。
消防学校が本当に辛いなら
一方、
「怒られたから落ち込んでいる」
レベルではなく、
毎日消防学校へ行くのが怖い。
眠れない。
食事ができない。
身体に不調が出ている。
辞めたい気持ちがずっと続いている。
という状態なら、一人で無理に耐える必要はありません。
消防学校を途中で辞める人は実際にいます。
私が東京消防庁に入庁したときも、約60人のクラスで最初の1週間に2人が辞めました。ただしこれはあくまで私のクラスの実体験で、消防学校全体の退校率を示す統計ではありません。
👉 消防学校を辞める人の割合は?元消防士が実体験と辞める理由を解説
消防学校についてよくある質問
消防学校では毎日怒られますか?
人や状況によるので、「全員が毎日怒られる」とは言えません。
私自身は、訓練態度、基本動作、身だしなみなどについて注意された経験があります。
消防学校は厳しいですか?
楽ではありません。
東京消防庁では、初任教育のうち6か月間を消防学校で基礎教育として行い、消防技術だけでなく、体力・気力、社会人としての人格形成も目標としています。
訓練ができないと卒業できませんか?
最初からすべてできることを求められているわけではありません。
消防学校は、必要な知識・技術を学ぶ場所です。
ただし、訓練・学科・生活面などで必要な教育を受け、基準を満たしていく必要があります。
運動神経が悪くても大丈夫?
体力は必要ですが、消防学校では体力づくりも行います。
運動が得意かどうかだけで消防士としての適性すべてが決まるわけではありません。
怒られたらパワハラですか?
すべての注意・指導がパワハラになるわけではありません。
業務上必要な指導と、人格否定・暴力・嫌がらせなどは分けて考える必要があります。
まとめ|消防学校で怒られるのには理由がある。でも失敗しても大丈夫
私が消防学校時代に特に注意されたのは、
① 訓練中に笑ってしまった
② 基本動作や訓練をダラダラやった
③ 身だしなみが整っていなかった
この3つです。
当時は、
「そこまで怒らなくても……」
と思ったこともあります。
でも消防署へ配属され、
実際に災害現場で活動したことで、
訓練への集中。
基本動作。
資器材操作。
身だしなみ。
規律。
それぞれに理由があったことも理解できました。
東京消防庁の消防学校は現在も、消防の知識・技術だけではなく、強い気力・体力や社会人としての人格形成まで含めた教育を行っています。
だから、これから消防学校へ入る人に伝えたいのは、
「怒られないように完璧にやろう」と思いすぎなくていい。
ということです。
私も失敗しました。
注意されました。
それでも一つずつ覚えていけば大丈夫です。
分からないことは聞く。
失敗したら直す。
同期と助け合う。
そして、
「なぜ消防士になりたかったのか」
を忘れない。
これが消防学校生活を乗り越えるうえで、一番大切だと思います。
消防士になるには?採用試験から消防学校まで元消防士が解説【2026年】
