「インフラ調査士ってどんな資格?」

「難易度や合格率はどれくらい?」

「過去問や試験情報が少なくて、どう勉強すればいいのか分からない……」

私自身、インフラ調査士の資格試験を実際に受験しました。

そして、受験するときに一番困ったのが、

とにかく試験に関する情報が少ないこと。

私が受験したときもネットで情報を探しましたが、他の土木系資格と比べて受験体験記や試験対策の情報が非常に少なく、かなり苦戦しました。

しかも私は実際の一次試験で、

鋼橋:合格
コンクリート橋:不合格
トンネル:合格
付帯施設:不合格

という結果も経験しています。

その後、二次試験の実技・面接も実際に受験しました。

この記事では、その実体験を交えながら、

  • インフラ調査士とはどんな資格なのか
  • 2026年度の試験内容
  • 難易度・合格率
  • 一次試験の内容
  • 二次試験の内容
  • 実際に受験して難しいと感じたところ
  • おすすめの勉強方法
  • 取得するメリット

について解説します。

これからインフラ調査士を受験する方の参考になればと思います。

※試験制度・日程・費用等は変更される可能性があります。受験時には必ず日本非破壊検査工業会の最新情報をご確認ください。


インフラ調査士とは?

インフラ調査士は、道路施設の点検業務を担当する技術者について、必要な知識・技術を確認する資格です。

一般社団法人日本非破壊検査工業会が資格認証制度を運営しています。

2026年現在、インフラ調査士は次の4資格に分かれています。

資格主な対象
橋梁(鋼橋)鋼橋・横断歩道橋
橋梁(コンクリート橋)コンクリート橋
トンネル道路トンネル
付帯施設舗装・道路附属物

資格試験では、法令・技術基準・工学的な基礎知識だけではなく、点検・診断・補修設計など、道路施設の点検業務に必要となる知識や技術が確認されます。

2026年の公式案内では、インフラ調査士は国土交通省登録資格として、鋼橋・コンクリート橋・トンネル・舗装・小規模附属物の5分野に対応しています。

国土交通省直轄の道路橋点検においても、登録技術者の配置が求められており、インフラ点検に携わる技術者にとって実務との関連性が高い資格です。


インフラ調査士の受講資格

誰でも無条件で受講できる資格ではありません。

2026年時点では、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 非破壊試験技術者(JIS Z 2305資格保有者)
  • コンクリート構造物の配筋探査技術者(土木・建築)
  • NDIS 0602 非破壊検査総合管理技術者
  • NDIS 0604 赤外線サーモグラフィ試験技術者
  • NDIS 0605 もれ試験技術者
  • 3年以上のインフラ点検実務経験者(直近3年間で120日以上)

そのため、基本的にはインフラ点検や非破壊検査などに携わっている技術者向けの資格と考えていいでしょう。


インフラ調査士の試験は一次試験と二次試験がある

インフラ調査士は、大きく、

学科(一次)試験

と、

実務(二次)試験

に分かれています。

私が受験したときもそうでしたが、この資格は一次試験だけ勉強して終わりではありません。

二次試験では実務経験についてのレポート、面接、実技まであります。

ここが一般的な筆記試験だけの資格とは少し違うところです。


インフラ調査士の一次試験の内容【2026年版】

2026年現在、学科(一次)試験は4科目です。

試験科目問題数試験時間形式
橋梁(鋼橋)40問70分4者択一
橋梁(コンクリート橋)40問70分4者択一
トンネル40問70分4者択一
付帯施設33問60分4者択一

付帯施設については、舗装15問・道路附属物15問を含む構成とされています。

主な出題テーマは、

  • 法令・倫理
  • 概要・設計施工
  • 変状や劣化要因
  • 点検・試験方法
  • 評価・判定
  • 応急措置
  • 点検記録

などです。

出題は、インフラ調査士講習会テキストや国土交通省の定期点検要領などに関連する内容を中心に行われます。

つまり、

単純な暗記だけではなく、「なぜこの変状が起こるのか」「どのように点検するのか」まで理解しておくことが重要

だと感じます。


2026年現在のインフラ調査士の難易度は?

個人的には、

「超難関資格ではない。ただし、舐めて受験すると普通に落ちる」

という難易度だと思っています。

私自身がその経験をしました。

一次試験を受験した結果は、

鋼橋:合格

コンクリート橋:不合格

トンネル:合格

付帯施設:不合格

でした。

つまり4科目受験して、2科目合格・2科目不合格です。

当時の私は、

「講習を受けてテキストを勉強しておけば、それなりにいけるだろう」

という感覚もありました。

しかし実際には、そう簡単ではありませんでした。

特に普段の業務で関わることが少ない分野については、知識が曖昧なままだと選択肢で迷います。

逆に言えば、

実務経験+講習+テキスト+点検要領

をしっかり押さえれば、十分合格を狙える資格だと思います。


インフラ調査士の合格率は?

ここは、以前の記事よりかなり正確な情報が出せるようになりました。

日本非破壊検査工業会が公表した2025年度前期の学科(一次)試験では、新規受験者119名のうち92名が合格し、**合格率77%**でした。

2025年度後期では、新規受験者75名のうち64名が合格し、**合格率85%**でした。

つまり直近の公式実績を見る限り、一次試験全体では7~8割程度が合格しています。

ただし、ここで注意してください。

「合格率が高い=簡単」ではありません。

そもそも受講資格があり、インフラ点検等の実務経験者や関連資格保有者などが受験する試験です。

受験者層そのものが、ある程度専門知識を持っています。

さらに科目別では差があります。

2025年度前期の公表値を見ると、

科目受験者数合格者数
橋梁(鋼橋)67人62人
橋梁(コンクリート橋)68人57人
トンネル65人51人
付帯施設80人41人

特に付帯施設は、他科目と比較して合格者の割合が低い結果でした。

私自身も付帯施設で不合格になった経験があるので、

「付帯施設だから簡単だろう」

と考えるのはおすすめしません。


実際にインフラ調査士を受験して感じた難しさ

私が受験して一番困ったのは、

情報の少なさです。

1級土木施工管理技士や技術士などであれば、ネット検索すると過去問、参考書、YouTube、ブログなど大量の情報が出てきます。

ところが、インフラ調査士は情報がかなり限られています。

私が受験した当時も、

「何をどこまで勉強すればいいんだ?」

という状態でした。

だからこそ、基本になるのは公式教材です。

ネット上の情報だけで勉強するのではなく、

講習会テキスト・eラーニング・点検要領を軸に勉強する

のが基本だと思います。

そしてもう一つ重要なのが、

実務経験と知識を結びつけること。

例えば橋梁点検に携わっているのであれば、

「実際に現場で見たこの変状は、なぜ発生したのか」

「この損傷を確認するときは、どこを見るのか」

という形で勉強すると、単なる丸暗記より理解しやすくなります。


インフラ調査士の二次試験は何をする?

一次試験に合格すると、合格した科目について実務(二次)試験があります。

2026年現在の実施要領では、

①事前レポート
②面接試験
③実技試験

によって評価されます。

私も実際に二次試験を受験しました。

ここからは一次試験とはかなり雰囲気が変わります。


二次試験① 事前レポート

実務(二次)試験では、実務経験などについて事前にレポートを作成して提出します。

2026年前期のレポート様式では、

「実務経験から得た技術または学習した知識」

について80~120字、

さらに、

その技術・知識を調査・点検実務へどう活用するか

について250~300字で記述する形式になっています。

ここで重要なのは、

自分が実際に経験した業務を整理しておくこと

です。

「橋梁点検をしました」

だけでは弱いです。

どのような構造物だったのか。

どのような変状があったのか。

何を確認したのか。

どんな知識を使ったのか。

それを今後どう活かすのか。

ここまで説明できるようにしておいた方がいいでしょう。


二次試験② 面接試験

面接試験では、2名以上の試験官によって、事前提出したレポートの内容などについて確認されます。

私も実際に面接を経験しましたが、

自分が書いた内容について、自分の言葉で説明できること

が非常に重要です。

立派な文章を書こうとして、普段使わない専門用語ばかり並べるより、

「なぜそう判断したのか」

「その経験から何を学んだのか」

を説明できる状態にしておく方が大切だと思います。

レポートを提出したら終わりではありません。

提出したレポートそのものが面接対策教材

だと思って、何を聞かれても答えられるようにしておきましょう。


二次試験③ 実技試験

2026年現在の実施要領では、実技試験の前に実技講習があり、目視や打音検査による技量確認が行われます。

確認項目として、

  • コンクリートの空洞・剥離
  • コンクリートの強度不足
  • 鋼構造物のボルトの緩み
  • コンクリート・鋼構造物のひび割れやき裂

などが挙げられています。

私が受験したときも、

「知識として知っている」ことと、「実際に確認できる」ことは違う

と感じました。

普段から点検業務をしている方には馴染みがあると思いますが、実務経験が少ない場合は、実際の点検方法を意識して勉強しておいた方がいいでしょう。


インフラ調査士のおすすめ勉強方法

私自身の失敗も踏まえると、次の順番がおすすめです。

① eラーニング・講習を流さずに受講する

まず基本です。

「どうせ後でテキストを見るから」

と聞き流さない方がいいです。

講習で説明されたポイントとテキストを結びつけながら理解しましょう。

② 公式テキストを中心に勉強する

市販教材が豊富な資格ではありません。

だからこそ、公式テキストの重要性が高いです。

2025年度前期以降は、

  • 橋梁:2025年3月版
  • トンネル:2025年3月版
  • 付帯施設:2025年3月版

の講習会テキストが使用されています。

③ 最新の定期点検要領を確認する

2025年度前期以降の講習・試験では、

  • 橋梁定期点検要領:令和6年7月
  • 歩道橋定期点検要領:令和6年9月
  • 道路トンネル定期点検要領:令和6年9月
  • 舗装点検要領:平成29年3月
  • 附属物(標識、照明施設等)点検要領:令和6年9月

などが使用されています。

古い資料だけで勉強しないように注意しましょう。

④ 間違えた問題を重点的に復習する

一度解いて正解した問題より、

間違えた問題の方が重要です。

「なぜ間違えたのか」

まで確認してください。

単なる暗記不足なのか。

変状のメカニズムを理解していないのか。

点検要領を覚えていないのか。

原因を潰していく方が効率的です。

⑤ 二次試験は一次合格後すぐ準備する

一次試験に合格してから、

「さて、二次試験どうしよう」

では遅いです。

実務経験を整理して、

経験 → 技術・知識 → 点検業務への活用

まで説明できるようにしておきましょう。


インフラ調査士は何時間勉強すれば合格できる?

これは一律には言えません。

インフラ調査士は、受験者の実務経験によってスタート地点がかなり違うからです。

橋梁点検を日常的にしている人と、ほとんど橋梁点検をしたことがない人では必要な勉強量が違います。

そのため、

「○時間勉強すれば必ず合格できる」

とは言えません。

個人的には、勉強時間そのものより、

自分が普段扱っていない分野を把握して、そこへ時間を使うこと

の方が重要だと思います。

私自身、4科目すべて合格できなかったからこそ、そう感じます。

得意分野だけ勉強して安心しないこと。

これが大切です。


2026年度インフラ調査士の試験日程

2026年度は前期・後期の2回が予定されています。

前期

項目日程
新規受験者申込2月2日~3月6日
オンライン講習会4月17日
eラーニング4月1日~5月14日
学科(一次)試験5月14日
一次合否発表6月9日
二次レポート締切7月17日
実務(二次)試験8月4~6日のうち1日
二次合否発表9月7日
資格証発行10月1日~

後期

項目日程
新規受験者申込8月3日~9月4日
オンライン講習会10月16日
eラーニング10月1日~11月11日
学科(一次)試験11月11日
一次合否発表12月7日
二次レポート締切翌年1月13日
実務(二次)試験翌年1月26~28日のうち1日
二次合否発表翌年3月8日
資格証発行翌年4月1日~

※二次試験の日程は指定できません。


インフラ調査士の受験費用はいくら?

2026年度の公式案内では、資格取得にかかる主な費用は次のようになっています。

内容費用(税込)
講習・学科試験(4科目)31,900円
実務(二次)試験1科目5,500円
認証申請1科目4,400円

複数科目の資格取得を目指す場合、二次試験や認証申請は科目数に応じて費用が増えます。

決して数千円で取れる資格ではないので、

受験するのであれば、一発で合格するつもりで準備した方がいい

と思います。


インフラ調査士を取得するメリット

インフラ調査士は、一般の人に広く知られている資格ではありません。

しかし、インフラ点検業務に携わる技術者にとっては意味があります。

特に、

  • 建設コンサルタント
  • 橋梁・トンネル点検
  • 非破壊検査
  • 道路施設の維持管理
  • インフラメンテナンス

などに携わっている方とは相性がいい資格です。

さらに、インフラ調査士は国土交通省登録資格となっている分野があります。

「資格を持っているだけで給料が一気に上がる」

という資格ではありませんが、

インフラ点検に関する知識・技術を証明できる資格

として、実務上の価値を考えた方がいいでしょう。


インフラ調査士は転職・キャリアアップに役立つ?

資格だけで転職が決まるわけではありません。

しかし、

「インフラ点検の実務経験+インフラ調査士」

という組み合わせであれば、自分の専門性を説明する材料になります。

特に建設業界では、

「何を経験してきたのか」

に加えて、

「その経験を客観的に証明できる資格を持っているか」

が評価材料になる場合があります。

橋梁・トンネル・道路施設などの点検経験があり、今後もインフラメンテナンス分野で働きたい方なら、取得を検討する価値はあると思います。


インフラ調査士についてよくある質問

インフラ調査士は難しいですか?

超難関資格という印象ではありません。

ただし、専門知識を持つ受験者を対象とした試験なので、無勉強で簡単に合格できる試験とも言えません。

私自身も4科目受験して2科目不合格を経験しました。

インフラ調査士には過去問がありますか?

一般的な国家資格のように、市販の過去問題集が豊富にある資格ではありません。

そのため、公式テキスト、eラーニング、講習、点検要領を中心に勉強することをおすすめします。

4科目全部受験する必要がありますか?

インフラ調査士は、鋼橋・コンクリート橋・トンネル・付帯施設の資格に分かれています。

自分の業務や取得したい資格に合わせて考えましょう。

一次試験に合格すれば資格取得ですか?

いいえ。

一次試験合格後、合格した科目について実務(二次)試験を受験し、合格後に認証申請する流れになります。

二次試験は筆記試験だけですか?

いいえ。

実務経験等についての事前レポートに加えて、面接試験と実技試験があります。


まとめ|インフラ調査士は情報が少ないからこそ公式教材を徹底しよう

インフラ調査士は、

橋梁(鋼橋)・橋梁(コンクリート橋)・トンネル・付帯施設

という道路インフラの点検に関係する資格です。

私自身、実際に受験しました。

そして結果は、

鋼橋:合格

コンクリート橋:不合格

トンネル:合格

付帯施設:不合格

でした。

だからこそ言えるのは、

決して「講習を受ければ簡単に全部合格できる試験」ではない

ということです。

一方で、きちんと講習を受け、テキスト、eラーニング、最新の点検要領を勉強すれば、十分合格を狙える資格だと思います。

そして一次試験だけではありません。

二次試験では、

レポート・面接・実技

があります。

特に重要なのは、

自分の実務経験と、点検に必要な知識を結びつけて説明できること。

インフラ調査士は、情報が多い資格ではありません。

私自身、受験するときに情報が少なくて苦労しました。

だからこそ、この記事がこれから受験する方の参考になれば嬉しいです。

受験する方は、必ず最新の試験案内を確認してください。

日本非破壊検査工業会「インフラ調査士」公式情報